山門
檀林寺は平安時代の承和2年(835)に、第52代・嵯峨天皇の皇后・橘嘉智子
(たちばな の かちこ:786~850)により、現在の天龍寺の地に創建されました。
唐から禅僧・義空を招いて開山とした尼寺で、我が国初の禅を講じた寺でした。
広大な境内に12坊を数えたと伝わり、皇后の崩御後は官寺となりましたが、
平安時代の中期頃に荒廃し、廃絶しました。
現在の檀林寺は昭和39年(1964)に皇后の遺徳を偲んで復興されましたが、
禅宗ではなく、真言宗系の単立寺院です。
水子地蔵尊
山門をくぐると水子地蔵尊が祀られています。
八角灯籠
八角灯籠
奥に見える桜は平和の象徴、文化の架け橋として平成28年(2016)に植樹されました。
本堂
本堂は重層の宝形造りで「法宝閣造り」と称され、掲げられた扁額「法宝閣」は
平安時代作で創建当時のものとされています。

本尊は檀林皇后をかたどったとされる、藤原時代作の准胝仏母尊です。
准胝仏母(じゅんていぶつも)とは准胝観音のことで、本来は武器を持って魔族を倒した
戦いの女神ですが、仏教に取り入れられてからは
多くの仏を誕生させた仏の母とされています。
真言宗系では人道を救済する六観音の一尊に数えられ、
修験者が准胝陀羅尼を唱えれば身が清浄となり成仏できると説かれています。
また本堂須弥壇には、中国南朝梁時代(502~557)の達磨大師像や
鎌倉時代作の弘法大師像、江戸時代作の檀林雲上彫刻尊像、
中国唐時代(618~907)の義空上人像などが安置されています。
右側には鎌倉時代作の倶利伽羅赤明王像などが安置されています。

本堂の左側に霊宝館が併設され、金剛界と胎蔵界及び説相界の曼荼羅図や
雪舟や応挙などの書画が展示され、不動明王像や金剛力士像、大黒天像、
地蔵菩薩像などが安置されています。
櫓形灯籠
櫓形灯籠
織部灯籠
織部灯籠
庭園
庭園
宗門
宗門

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)へ向かいます。
続く

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